葬儀社の会員制度とは|事前相談との違いと作り方
この記事の要点
- 会員制度は事前相談の前段階にあたる継続的な関係づくりの仕組みである
- 登録フォームの項目は必要最小限に絞ると最後まで入力してもらいやすい
- 催しの案内では葬儀社が開く催しであることをはじめから明記する必要がある
葬儀社の会員制度とは何か、事前相談と何が違うのか
葬儀社の会員制度とは、生前のうちに葬儀社へ登録しておくことで、もしもの時の費用や手続きの案内を受けやすくする仕組みを指す。事前相談が「個別の相談行為」であるのに対し、会員制度は「継続的な関係づくりの枠組み」である点が大きな違いになる。
会員登録をすると、会費や優待の有無、連絡の取り方などは会社によって内容が異なる。登録時に金銭のやり取りが発生する制度もあれば、無料で情報提供のみを行う制度もあり、どちらが優れているというものではない。自社がどちらの形を選ぶかは、地域の慣習や運営体制によって決める必要がある。
事前相談・会員・もしもの時・そのあと、どの段階の話か
会員制度は「生前に知ってもらう」段階と「事前相談」段階の中間に位置する仕組みといえる。生前の情報提供で会社を知ってもらい、事前相談で個別の希望を聞き、会員登録でその関係を継続的なものにする、という流れを意識すると設計しやすい。
会員になったからといって、もしもの時に必ずその葬儀社に依頼しなければならないわけではない。この点を案内文であいまいにすると、後々の誤解につながりやすい。会員の位置づけは、依頼を縛るものではなく、情報を届けやすくするための仕組みだと説明しておくことが望ましい。
葬儀社が会員制度を作る目的と仕組みの考え方
会員制度を設ける目的は、生前の段階で接点を持った方に、継続して情報を届けられるようにすることにある。葬儀は突然必要になることが多く、普段から名前を知ってもらっている会社とそうでない会社とでは、いざという時に声がかかりやすさが変わってくる。
会員登録の流れを作る際の手順
会員制度を新しく作る、あるいは見直す場合、おおよそ以下のような手順で検討が進む。
- 制度の目的を決める(情報提供が中心か、優待が中心か)
- 会費の有無と金額を社内で検討する
- 登録フォームや申込書の項目を決める
- 案内チラシやホームページの文面を作る
- 既存のお客様や式を終えた遺族への案内方法を決める
このうち3の登録項目は、多くしすぎると申込みの途中で離れてしまう原因になる。氏名・連絡先・希望する連絡方法など、本当に必要な項目に絞って設計することが望ましい。紙の申込書でもホームページのフォームでも、入力や記入にかかる手間が少ないほど、最後まで進んでもらいやすくなる。
失敗しやすい運用の例
会員制度でよくある失敗の一つに、登録してもらった後の連絡が滞ってしまうケースがある。会員を増やすことに力を入れた結果、その後の情報発信が続かず、いざという時に会社の存在を思い出してもらえない、という事態につながりやすい。
もう一つの例として、会員向けの優待内容を複雑にしすぎて、スタッフ自身も説明に迷ってしまうケースがある。優待の条件は、スタッフが誰でも同じように説明できる程度のわかりやすさに整理しておくことが大切になる。

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無料で記事を作る →会員案内で気をつけたい表示と伝え方
会員制度を案内する際、費用や優待に触れる場面では、追加の料金が発生する条件を隠さずに示す姿勢が欠かせない。会員価格や優待価格を打ち出す場合でも、何が含まれていて何が別料金になるのかを明確にしておかないと、後になって「聞いていた話と違う」という不満につながりやすい。表示の仕方に迷う場合は、消費者庁の案内で確認しながら、自社の資料を整えていくとよい。
催しや相談会で会員制度を案内する場合
会員制度への登録を促す目的で、生前の相談会や終活に関する催しを開くことがある。この場合、案内のチラシや告知の段階で、それが葬儀社の開く催しであること、希望する方には事前相談や会員制度の案内もあることを、はじめから明記しておく必要がある。目的を伏せたまま人を集め、会場で初めて制度の説明をするような進め方は、参加者の信頼を損ねる原因になりやすい。
宗教・宗派や手続きに関わる案内の注意点
会員向けの資料の中で、宗教・宗派ごとの作法に触れることもあるだろう。その場合、特定の作法が正しい・誤っているといった断定は避け、「地域や宗派によって異なる場合があります」という形にとどめておくのが無難である。また、墓地や埋葬に関する手続きは自治体ごとに扱いが異なるため、案内文に詳細を書き込みすぎず、手続きの詳細は市区町村の窓口で確かめるよう添える形にしておくと安心感がある。
ホームページでの会員制度の伝え方
ホームページに会員制度のページを設ける場合、資料請求や会員登録のフォームは、入力にかかる時間が短く済むよう項目を絞ることが望ましい。建設業の見積もりフォームでは、項目が多すぎて入力の途中で離れてしまう例が知られており、葬儀社の会員登録フォームでも同じことが起こり得る。氏名・連絡先・希望する連絡方法程度に絞り、短時間で完了できる作りにしておくと、最後まで入力してもらいやすくなる。
文章の読みやすさにも配慮したい。スマートフォンで読んだときに1行が長すぎると読みにくくなるため、改行の位置を意識して文章を区切るとよい。また、本文の文字サイズが小さいと最後まで読んでもらえないことがあるため、ある程度大きめの文字サイズを基準にしておくと読了してもらいやすくなる。
会員制度を紹介する記事やページの冒頭と文末の両方に、事前相談についての関連記事へのリンクを置いておくと、興味を持った読者が別の記事も読みに来てくれやすくなる。会員制度と事前相談は関連の深いテーマなので、合わせて案内しておくと読者にとって情報を探しやすい構成になる。
会員からの感想の集め方
会員になった方や、式を終えた遺族から感想をいただく機会がある場合、良い感想だけを選んで載せるのではなく、どのお客さんにも同じように、率直な感想をお願いする姿勢が大切になる。感想を見返りと引き換えに集めるような方法は避けるべきである。
集客の結果は地域や業種、取り組み方によって変わるものであり、会員制度を作ったからといって、特定の成果が約束されるわけではないことは理解しておきたい。制度の設計や案内の仕方を地道に見直しながら、自社に合った形を探っていく姿勢が求められる。
まとめ
葬儀社の会員制度は、生前の情報提供と事前相談の間をつなぐ仕組みであり、会費や優待の内容は会社ごとに幅がある。案内の際は、追加料金の条件を隠さないこと、催しの目的をはじめから明示すること、宗教・宗派や自治体の手続きについて断定しないことが欠かせない。制度を作って終わりにせず、登録後の情報発信や感想の集め方まで含めて、無理なく続けられる形を整えていくことが大切である。
よくある質問
- Q. 会員制度と事前相談はどちらを先に案内すればよいですか
- A. 会社によって順序は異なります。生前の情報提供から会員登録へ進み、その後に個別の事前相談につなげる流れを取る会社もあれば、先に事前相談を行ってから会員登録を案内する会社もあります。自社の運営体制に合わせて検討するとよいでしょう。
- Q. 会員登録に会費を設定すべきですか
- A. 会費の有無や金額は会社によって幅があり、どちらが正解ということはありません。情報提供を目的にするか、優待を目的にするかによって設計の考え方が変わるため、自社の目的に沿って決める必要があります。
- Q. 会員向けの割引表示で気をつけることは何ですか
- A. 割引や優待を示す際は、追加の料金が発生する条件を隠さずに示すことが欠かせません。表示の仕方に迷う場合は消費者庁の案内で確認しながら資料を整えるとよいでしょう。

